2012年8月10日金曜日

【クロカン道場】 クロカンで難しいのは ”ブレーキング”


そういえば、前回、スポーツランド岡山からの帰り、急にバタバタとフロントアクセルが暴れ始めたんでなんやねん?と見てみたら・・

またしても右前のUボルトのうち一本が折れてました(^^;


これであのクルマのUボルトがおれたのは何回目だろう??

おそらく十数回は下りませんねぇ。


ま、それはいいとしてまだ修理してないのでヤマに走りにいかない代わりに、クロカンテクニックを少々。


今回は、ブレーキワークについて。


僕がクロカンを始めたころ、一緒によく走っていた人がいるのだが、その人が結構嘘つき(w


その当時のビデオが残っているのだが、それをJr.が好んで何度も再生して見ていると、自分の走りもビックリするほど下手くそだが、

その先輩にあたる人もずいぶんとド下手くそ(w


ここ10年以上、噂も聞かないし、ランクルに乗っているという噂も聞かないので今、彼がどうしているのかは知らないのだが、そのひとの得意技が、「インチキ・アクセルワーク」だった。



今の若い人はあまりご存知ないかもしれないが、一昔前のF1パイロットで伝説的だった男でアイルトン・セナという人がいた。



彼は僕が知る限り、最も天才的だったF1パイロットだったのだが、彼のアクセルワークは当時からすごく有名だった。

いわゆる「セナ足」と呼ばれるアクセルワークだったのだが、

セナ足とは1秒間に6回もアクセル開閉を繰り返すことで、バタ足というより、けいれんに近い状態です。

これにより、コーナリング中のエンジン回転を上げ、高いスピードを維持することができました。

これはセナならではの、限界を超えない感覚があってこそのことです。また、コーナー出口でアクセル全開にするときにも、加速の点で有利でした。

さらに付け加えると、ホイールスピンをおこさないためもあります。



上はセナのテレメトリデータから、アクセル開度を表しています。

折れ線グラフで高密度にギザギザになっている部分が「セナ足」です。

S字、逆バンク、スプーンの3ヶ所で特に顕著です。全閇と開度3分の1ぐらいのところで揺れています。


セナが亡くなったのは今から18年ほど前だったのだが、僕がクロカンを始めた今から20年ほど前は、彼の影響もあって「アクセルワーク」にこだわりがある人が多かったのだ。


そんなわけで、当時は彼のアクセルワークを真似て、アクセルをバウバウと不必要な処で開閉を繰り返す人が多かったのだが、

僕の先輩にあたる人は特に顕著にその傾向が強かった。


ヒルクライムなどを攻めるとき、理想的に言うと、タイヤの空転が起こるかどうかギリギリのアクセル開度に調節しながら走れればいいのだが、

ヒルクの最中は体が揺らされることもあったり、古いディーゼルエンジンや2サイクル車などはアクセル操作を行なってからのレスポンスが悪かったりするので、

タイヤの空転を察知してから操作を行なったのでは遅い場合があるので、”セナ足”のように路面から伝わってくる感覚からの操作がそもそも不可能って場合が非常に多い。


そこで、僕の場合はあまりアクセルワークは重視していなくて、何度か地形にクルマを当てることで、最小のアクセル開度で通過出来るポイントを覚えながらせめてみたり、

最初から空転させること前提で攻めてみたり、何もかんがえずにバウバウとアクセル操作を繰り返してみる、みたいにアクセルワークのバリエーションを変えて攻めていることがある。


先ほど、下手くそな先輩がいたって話をしたのだが、彼は「セナ足が使えるんだ」と言いながら、ヒルクの最中、だいたいアクセルはベタ踏みで、登りきったあたりで思い出したかのように「バウバウ」といかにもセナ足のようなアクセル操作をしていた。


ま、彼の話はどうでもいいとして、アクセルワークって言うのは上手い人もそうでない人も違いというのはそれほどないと僕は思っている。


どちらかというと、アクセル操作よりライン取りや車両感覚、走破させるための戦略を立てる能力の方が重要なので、僕自身、「セナ世代」ではあるが、クロカン走行でアクセルワークっていうのは優先順位の下の方の扱いをしている。


アクセルワークの重要度は低いと思っているのだが、クロカン四駆でのオフロード走行で最も難しく、重要で、素人と上手い人との差が出ると思っているのが、「ブレーキワーク」だ。


ブレーキワークは、もう何十年もクロカンしている人ですら、下手くそな人が多い。


私の真の意味での師匠にあたる人は、とりあえず、キャンバー走行が強かった。

キャンバー走行もだが、彼は「下り(ヒルダウン)」、それも下りながらキャンバーを回り込んで異常なラインで高い処に張り付きながら人が轍を残せない処に轍を残すことが好きな人だった。





それらの操作で最も重要となってくるのは、極限まで速度を落とすことが出来るブレーキワークと、キャンバーに真横に張り付こうとする場合に山側にトルクを逃がさないようにする、ブレーキワークの2つだ。



先日のキャンバー走行の練習法の記事で、山側のタイヤに駆動力が逃げてしまう怖さを語ったのだが、キャンバー走行で山側のタイヤにトルクを逃がさないようにするには、ブレーキチョーキングが欠かせない。




デフロックが入ったクルマで攻めたら山側のタイヤが2輪とも浮いてしまって、転倒動作に入ってしまっても、デフロックのお陰でリカバリー操作は可能なのだが、

オープンデフ車ではそれは出来ないので「キャンバーを攻める上での安全策のためのブレーキ操作」を覚える必要というものもあると思っています。


不整地を這っているときは、タイヤが複数浮いてしまうことが当然多くなるので、ブレーキ操作でトルクが逃げてしまうことを自由に制御出来る人は、クルマの能力の低さを腕でおぎなうことが出来るということが言えると思っている。



次に重要になってくる時はやはり「ヒルダウン」、それもただポテっと下りるのではなく、下りながら最大のグリップを拾いながら、他人とは違ったラインを選ぶようなときだ。







また、トラクションのかけ始めなどに、タイヤのスリップを極限まで抑えながら「ジワッ」っとタイヤを回し始める際などにも当然使える。





今までもし、漫然とブレーキペダルを踏んでいたとするのであれば、今の感覚をさらに10倍くらい精密に踏んでみるような感じで繊細なブレーキタッチを心がけてみればいいのではないかと思う。



ブレーキワークというのは、アクセルワークなどに比べ、地味でわかりにくいものなのだが、見る人が見るとちゃんと「あぁ、この人はブレーキング上手いなぁ」ってことがわかるのでしっかり練習してもらいたいと思う。



PS.

あと書き忘れたが、「荷重移動のためのブレーキワーク」ってのもある。

これは僕が、三点接地のような状況でフラフラとシーソーのような状況のときによく使っている手なのだが、ブレーキをあえてラフに踏むことでクルマを積極的に揺らせて、

浮いているタイヤが接地し、じゃっかん荷重がかかった瞬間にタイヤに動力を伝えて前進させたりしている。


僕のクルマの場合、車重があるクルマでクロカンしているので、トラ専のクルマに乗っている人がよくやっているような、障害物にあたる直前にブレーキを踏み、荷重移動を起こすことでクルマを上に飛ばすって技は使えないのだが、クルマをわざと揺らせることで障害物を乗り越えやすくさせることはよくある。


アクセルペダルを踏みながらブレーキペダルを踏むことも当然多くなるので、ヒール&トゥも覚えなければならないが、走るポイントによって僕はつま先でブレーキペダルを踏みながら、かかとでアクセルペダルを踏む通常な方法も、

またブレーキペダルをかかとで踏みながらアクセルペダルをつま先で操作することの双方を使っています。


クルマによってはそれらが不要なものもあるかもしれないが、ブレーキワークってのは本当に奥が深いのでぜひチャレンジしてもらいと思います。




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Posted at 2012/07/29 00:16:01 

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